8月27日、橘上、永澤康太、吉原洋一3人で結成されたユニット「シ(サンズイ)」のゼロ回公演(@江古田 フライングティーポット)へ行ってきました。
橘氏は旧知の詩人、永澤氏ははじめてお会いしましたが詩については「現代詩手帖」投稿欄以来知っている方で、吉原氏は写真をやっておられるそうです。ゼロ回公演はリーディングイベントで、最初に3人がそれぞれ各自のテキストをやったあと、3人一緒に「四人の僧侶」と中原中也の詩を読む、というプログラムです。
しかしユニットといってもこの3人、リーディングにしろテキストにしろまったくタイプが違う。橘氏はどちらかというと音楽寄りでギターなど楽器がバックにつき、永澤氏は5メートルの巻物とそれを撮影した画像ごしに読み、吉原氏は演劇的なテキストを女性と二人で読む、というスタイルで、声の出し方から表情のつけ方までまったく三者三様です。
なので、かれらがひとつの空間にあつまってつぎつぎに読むのを見るというのは、動物園でマレーグマとホッキョクグマとジャイアントパンダの檻をつぎつぎにみてまわるのに似て、たんにクマ類、いや詩人たちと思ってみていたのではわからない差が顕在化してくるという、あまりないおもしろい体験でした。
ユニットといってもユニットらしいまとまり、カラーをつくろうという気配がまったく見えなかったので、こういう印象をもったのだと思いますが、私はなんだか楽しくなって帰りました。
会場となった「フライングティーポット」も良いところです。天井の一部が鉄骨むき出しの地下の空間で、壁を背にして長いカウンターがありました。
ひとめ見たとたんこのカウンターを使ってなんかやりたいと思いましたがそれはさておき、空間としては適度に広く、適度にちらかっていていろいろ楽しいモノがたくさんある、居心地のいい友達の家のような暖かい雰囲気があります。
こういうところでクマ類、失礼、詩人たちをみるというのもよくて、トルタもそのうちなにかやらせてもらえるといいなあ、などと考えました。
「シ(サンズイ)」第1回公演はどうなるのか、今後も気にしていようと思います。
さて、この話をすると、トルタの企画担当もなにかやりたくなってきたようです。
「アンユナイテッドネイションズ」から2年、そろそろトルタイベント企画も考えましょうか。
(ま、その前に3号と文学フリマですが)
(KONO)
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