ポエトリーカフェ武甲書店。
埼玉県秩父に位置するカフェでもあり書店でもあるそのスペースは、たくさんの詩書のすぐそばで、詩を書く人や詩を読む人たちが語り合うことのできる、ほとんど夢のような場所です。
あのような場所がこの国に存在していることを、とてもうれしく思います。
9月21日(日)、その夢の場所で開催された、「新しい現代詩を読む」と題されたトークライブについて。
出演は野村喜和夫さんとトルタの河野聡子。
第一部は、埼玉県入間市出身の野村さんが、故郷のこと、故郷からほど近い秩父という土地のことを語りつつ、「いままでに一度も朗読したことのない」という初期の詩篇を中心に朗読を行いました。
第2部前半は、河野による『時計一族』の朗読の後、野村さんから河野の詩についての解説と、河野への質問。
後半は安川奈緒『MELOPHOBIA』、キキダダマママキキ『死期盲』、久谷雉『ふたつの祝婚歌のあいだに書いた二十四の詩』、杉本真維子『袖口の動物』といった「新しい現代詩」の詩集について、野村さんと河野がそれぞれコメントしました。
最後に、観客から出演者へ質問する時間が設けられ、そこで私は野村さんに「新しい現代詩の書き手に何を期待しているのか」と尋ねました。
というのも、先行世代の詩人たちが、すでに書かれてしまった「新しい現代詩」をどう読んでいるかよりも、これから詩を書いていく新しい世代に、何を望んでいるかの方が、とても知りたかったからです。
質問に対する野村さんの回答の第一声は「ジャンルを継続すること」でした。
つづいてほかのこともいろいろ(暴動とかなんとか)仰っていましたが、「ジャンルを継続する」という言葉があまりにも衝撃的だったため、忘れました。
ジャンルの継続。それは、とりたてて目新しい考え方ではないかもしれません。
けれども、そのときその場所で、野村さんの口から発せられたその言葉から、なにかとても重い責任を担わされたかのような、深い感銘を得ました。
この話についてはまたいずれ。
(■山田)
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テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル:学問・文化・芸術